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齊藤謙大なげいれのはな
花のこと
私は野草の生産をしております。日々植物と付き合っていく中で、いけはなはとても身近なものでした。1年を通して1つの植物でも芽吹き 青葉 開花 紅葉 末枯れその時々のとりあわせでいろいろな表情をみせてくれます。
そのような季節の移り変わりの一瞬を切りとり器に鎮めることを楽しむ時間、空間を感じていただけましたらと思います。
花を通して自然に目をやり四季の移り変わりを感じ取り、花を器の中に鎮めていただきたいと思っております。
教室を開催するにあたり
私自身、生業として草木を育てていく中で春の芽吹きから冬の末枯れにいたるまでの一年を通してひとつの草木がもつ様々な表情を観ることで、それら草木なりの一生を感じています。
古来より、草木花に心を重ね歌にしたり絵にしたり、そういうことで喜びや儚さといった情緒を育んできました。そして、それは現代にも連綿と受け継がれた情緒なのかとおもいます。
なげいれの花は、ただ草木花をなげいれるということではなく、自然の景色や空気感をもひとつの器におさめることで、草木花本来の美しさを引き出すことにあり、人の手によって紡ぎ出され、ひとりひとりの多様な花を現出させます。そういう意味では、引き出しの花と表現してもよいのかもしれません。
四季折々の景色を描いていただける、そのような場、空間になればと考えています。
私的ないけばなの考え
なげいれと言う手法で花をいけておりますが、いけばなの幅広い可能性を狭めてしまうのではないのかという思いもあります。いけばなの歴史の中には、たてる花、いれる花、いける花とその場に応じた花がそれぞれの人たちの思いの中でいけられてまいりました。
それぞれの植物が持っている風情をいかし情景を思い描くことができる花をいけられればと思っています。
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